こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
百貨店人であったオッケーにとって、「危機管理意識」として、
毎日、気にしていたことの一つです。
本当に危険なのです!
‟自分には起きないから大丈夫!”と思いがちだと思いますが、、
「予期せぬ、降りかかる危険」があるのですよ。
みなさん、ご注意ください!
以前書いた記事があります。是非お読みくださいね!☟
エスカレーターは安全な乗り物?
「危険ですので駆け上がったり、駆け下りたりしないようにお願いします。」
エスカレーターで繰り返し流れるアナウンスをよそに、横を急いですり抜ける人のバッグや体などが接触して、ヒヤッとした経験はありませんか?
そう考えると、絶対に危ない経験をしたと思います。
日本エレベーター協会によると、
2018年1月から19年12月までに発生したエスカレーター上での事故は1550件。
歩いたり手すりを持たなかったりして転ぶなど「乗り方不良」によるものは805件で、
全体の半数以上を占めています。
「エスカレーターの片側空け」が終わらない根本原因
歩くと危ないと思うが、立ち止まれば怒鳴られる
エスカレーターで歩いたことはないという人はいらっしゃいますか?
蛇足ですが、、不思議なことなのですが、、、
「関東以北では左側は立ち止まり右側は歩行、関西以西ではその逆」というルールは「東西文化の違い」の代表例として挙げられることです。
エスカレーターでの歩行は当然視されてきた経緯が存在します。
しかしながら、歩行者にぶつけられた、邪魔だと怒鳴られたなど「立ち止まり派」から歩行禁止を求める声は、年々増えてきています。
近年は障害などで左側の手すりにつかまることができない人にとっては、非常に危険という指摘もあり、歩行論争は具体的な取り組みに発展してきています。
2021年3月に全国初の「エスカレーター歩行禁止条例」を制定したのが埼玉県です。
これはエスカレーター利用者に「立ち止まった状態でエスカレーターを利用しなければならない」、事業者(管理者)に「利用者に対し、立ち止まった状態でエスカレーターを利用すべきことを周知しなければならない」との努力義務を課す内容で、同年10月1日に施行されました。
名古屋市も今月の2023年10月から「名古屋市エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を施行し、「立ち止まっての利用」を義務化しました。
「エスカレーター歩行を禁止にする」流れが出来つつあります。
「歩行はやめたほうがいい」と考える人は年々増加傾向
2022年10月3日付の読売新聞(電子版)は、
エスカレーター条例施行から1年が経過した埼玉県について、条例施行直後に歩く人の割合は減少傾向を示したが、1年が経過する頃には元の水準に戻ったという筑波大学の徳田克己教授(以前、当店で研修を行っていただきました)の調査を伝えており、罰則規定のない条例では実効性に欠けるとの指摘もあります。
一般社団法人日本エレベーター協会は毎年11月10日の「エレベーターの日」にあわせて、エレベーターとエスカレーターの「安全利用キャンペーン」を展開しており利用者アンケートを実施しています。
そのなかで、
「エスカレーターを歩行してしまうことがある」
「人やかばんなどがぶつかり、危険と感じたことがある」
「エスカレーターの歩行は、やめたほうがいいと思う」の
3項目の2011年から2022年までの推移を紹介いたします。
このデータを観ると、エスカレーターの実際の歩行経験、禁止への意識傾向ともに、2018年頃からトレンドが変わって来ています。
特筆すべきは、2020年以降に大きく変化している点です。
2018年頃から少しずつですが兆候がある以上、リンクして考えてしまうのが、コロナ禍による外出頻度や生活様式の変化であるかも?と言えそうですが、、
確証的な要因とは言い切れません。
歩行問題が取り上げられる頻度が増えたためと考えるのが自然かと思います。
反対多数なのに、なぜなくならないのか?
敢えて残念と言いますが、、「人やかばんなどがぶつかり、危険と感じたことがある」の回答は横ばいであり、エスカレーターは歩くべきでないという考えが広まり、実際に歩行が減ったにもかかわらず「被害」は減らないのが実情のようです。
なぜ多くの人がやめるべきと考えながら歩行がなくならないのだろうか!
エスカレーターの歴史
エスカレーターの歴史は古く、19世紀末に発明されています。
ニューヨークやロンドンでは20世紀初頭から鉄道駅への設置が始まっています。
初期のエスカレーターは形状や原理が今と異なっていますが、改良を重ね、1920年代には現代的なエスカレーターが現れます。
日本初のエスカレーターは1914年3月に上野公園で開催された東京大正博覧会で、「わが国最新の自動階段」という宣伝文句で登場したデモンストレーションです。
同年10月には日本橋三越に初の常設エスカレーターが設置されています。
鉄道では1932年4月29日に開業した東京地下鉄道(現在の東京メトロ銀座線)三越前駅に、三越の負担で設置したエスカレーターが最初といわれています。
同年7月1日にはJR総武線両国―御茶ノ水間延伸開業にあたり秋葉原駅総武線ホームにも設置されています。
翌年に開業した大阪市営地下鉄(御堂筋線)にもエスカレーターが設置されています。
「片側空け」を最初に呼びかけたのは阪急だった
ただしこの時代は東京大正博覧会から20年もたっていません。
一般市民にとってエスカレーターは「アトラクション」であり、東京の「名物」だったため歩くといった発想はなかったようです。
これら戦前のエスカレーターは戦時中の金属回収で撤去され、姿を消すことになります。
鉄道駅におけるエスカレーターの本格的な普及は戦後の1960年代以降のことになります。
代表的なのが、1967年に高架化された阪急電鉄梅田駅に設置されたエスカレーターとムービングウォーク(動く歩道)と、1969年に当時最も深い駅として開業した営団地下鉄千代田線新御茶ノ水駅に、設置された日本一長い約41mのエスカレーターになります。
ところが東西のエスカレーター文化が別れることとなります。
梅田駅では阪急自ら「右側に立ち、左側を空ける」片側空けを呼びかけたのです。
よって日本のエスカレーター歩行の発祥は大阪と言われています。
ここで重要なのは、これは利用者が自発的に始めたことではないということです。
なぜそのようなマナーが求められたのかを深堀をすると、目前に控えた大阪万博にありそうです。
つまり万博という世界へのお披露目の場において、エスカレーターの片側空けが必要とされたようです。
慣習や意識を変えていきたい
名古屋市では「エスカレーターを歩く人とぶつかりそうで怖い」といった声が障害者や高齢者らから寄せられたことがきっかけで04年から市営地下鉄各駅などでエスカレーターに立ち止まって乗るよう呼びかけるポスターの掲示や放送をして来ていました。
条例化に踏み切った理由について、市の担当者は「条例化は市の決意表明。エスカレーター利用時の長年の慣習や意識を変えていきたい」とコメントをしています。
日本エレベーター協会からのお願い
ステップの上を歩いたり、走ったりしないでください
バランスを崩したり、つまずいたりして、転倒するおそれがあります。
また、他の利用者に接触して転倒させたりするおそれがあります。
当協会、鉄道事業者などでは、エスカレーターの歩行禁止を呼びかけています。
ベビーカー、カート、車いす、台車などは、乗せないでください
エスカレーターが思わぬ原因で急停止をすると落下や転倒のおそれがあります。
ステップの黄色い線の内側にお乗りください
黄色い線の上に足を乗せていると、くつ、長ぐつ、ビニール製のサンダルなどが巻き込まれ、思わぬケガをするおそれがあります
移動手すりにつかまってお乗りください
移動手すりにつかまっていないと、ご利用中にバランスを崩したり、エスカレーターの思わぬ原因での急停止したり、他の利用者との接触により転倒したりするおそれがあります。
衣類のすそにご注意ください
ステップ周囲の隙間、降り口のくし部に衣類が巻き込まれると危険です。
ロングスカート、着物など、丈の長い衣類をご着用の方は、衣類がエスカレーターに触れないように気をつけてください。
ピンヒールのくつをお履きの方はご注意ください
ピンヒールのくつはステップの溝に挟まって抜けなくなると危険ですので、ご注意ください。
傘の先など細いものをステップの溝に差し込まないでください
傘の先など細いものをステップの溝に差し込まないでください。
差し込まれた部分が破損し、エスカレーターが急停止することがあります。
乗降口付近では、立ち止まらないでください
他の利用者の通行の妨げになり転倒事故になるだけでなく、利用者同士の接触が原因で思わぬ事故につながることもあります。
安全のために、エスカレーターの乗降口付近は広くあけてください。
エスカレーターでは、喫煙しないでください
タバコの火がステップの隙間からエスカレーターの内部へ落ちると火災の原因になります。
今日を明るく元気に行きましょう!
お仕事お疲れ様です。
いってらっしゃい!