こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
「ビジネス」界の「根幹」の話です。
お分かりの方は、今一度、再確認をしてみてはいかがでしょうか!
ある意味では、「今年の流行語大賞」だと思いますが…
「コンプライアンス」「ガバナンス」などなど…
会社の「偉い人」たち

多くのビジネスパーソンにとって、「取締役」と「執行役員」という肩書きは、しばしば同義語のように扱われます。
どちらも会社のシニアマネジメント、つまり「偉い人」を指す言葉として認識されており、その違いは曖昧なままです 。
誰が何を行い、何に対して責任を負うのか、その境界線はよくわからないですね。
しかし、この曖昧さは単なる言葉の問題ではありません。
企業の戦略を理解し、リスクを評価し、そして最も重要なこととして、この違いは極めて重大な意味を持ちます。
両者を混同することは、船の船長と機関長を間違えるようなものです。
どちらも不可欠な存在ですが、その役割、責任、そして行動がもたらす結果は根本的に異なります。
二つの役割「 戦略家と指揮官」
法的な地位の違いから、次は彼らの日常業務における実践的な機能の違いを解説します。
取締役の舞台:ガバナンス、意思決定、そして監督
取締役会の主な役割は、会社の戦略的な頭脳として機能することです。
取締役会は、「重要な業務執行の決定」を行う権限を有しています 。
会社法は、特定の極めて重要な決定事項について、取締役会が決定しなければならず、個別の取締役に委任することはできないと定めています。
これには以下のようなものが含まれます 。
重要な財産の処分及び譲受け
多額の借財
支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
会社の内部統制システムの整備
取締役の利益相反取引の承認
意思決定に加えて、取締役のもう一つの重要な機能は、他の取締役の職務執行や会社全体の業務執行を監督することです 。
取締役は株主を代表して、会社の長期的な健全性を守る番人なのです。
執行役員の戦場:執行、運営、そして実行
執行役員は、現場の指揮官です。
彼らの中心的な任務は、取締役会が決定した戦略や方針を受け、それを現実に変えることです 。
彼らは組織の「実行」部門のトップです。
執行役員は、取締役会の高次元のビジョンと、現場で業務を遂行する従業員とを結ぶ、極めて重要な架け橋としての役割を果たします 。
戦略的な目標を具体的な業務指示に翻訳し、逆に現場の状況や成果を取締役会に報告する能力が求められます。
執行役員の権限は、取締役会から委譲されたものです。
通常、特定の事業部門や機能(例:営業担当執行役員、技術担当執行役員)の責任者であり、その業績について説明責任を負います 。
執行役員制度の導入
執行役員制度の導入は、現代ビジネスの複雑化がもたらした必然的な結果と言えます。
これにより、企業経営における「分業」が可能になります。
つまり、取締役はガバナンスと長期戦略に特化し、執行役員は卓越したオペレーションに特化するのです 。
この専門分化は、戦略的意思決定の質と業務執行のスピードの両方を向上させることを目的としています。
かつては、社長一人が戦略を立て、日々の業務を管理することも可能でした。
しかし、数十億ドル規模のグローバル企業ではそれは不可能です。
取締役会は、企業の存続に関わるリスク、大規模な資本配分、長期的な競争優位の確立といった問題に集中する必要があります。
取締役がすべての業務領域の専門家であることはできません。
執行役員制度は、企業が深い専門知識を持つ人材を各領域の責任者として任命し、効率的に業務を遂行させることを可能にする一方で、取締役会は監督機能を維持することができるのです。
この役割分担は、成功するために根本的に異なる二つのマインドセットを要求します。
優れた執行役員は、四半期目標の達成、プロセスの最適化、そしてチームを勝利に導くことに情熱を注ぎます。
一方、優れた取締役は、目先の緊急課題から一歩引いて、
「我々は正しい事業領域にいるのか?」
「我々が見えていない破壊的な脅威は何か?」
「すべてのステークホルダーに対して持続可能な価値を創造しているか?」
といった、より広範な問いを発することができなければなりません。
ここから得られるキャリア上の教訓は、執行役員から取締役を目指すには、戦術的な熟達から戦略的な叡智へと、意識的かつ意図的に視点をシフトさせる必要があるということです。
取締役は「経営の意思決定者」、執行役員は「現場の実行責任者」です。
『取締役』と『執行役員』
法的な位置づけや責任の重さに大きな違いがあります。
改めて、確認しましょう!
取締役とは
- 会社法で定められた正式な役員
- 株式会社には必ず設置が必要(会社法第326条)
- 株主総会で選任され、法務局に登記される
- 主な役割
- 経営方針や重要事項の意思決定
- 業務執行の監督
- 責任
- 法的責任が重く、会社に損害を与えた場合は賠償責任を負うこともある
執行役員とは
- 法律上の役員ではない
- 会社が独自に設ける役職で、登記も不要
- 法的には「従業員」に近い扱い
- 主な役割
- 取締役会で決定された方針に基づき、実務を遂行
- 事業部門のトップとして現場を指揮
- 責任
- 法的責任は比較的軽く、業務執行に特化
両者の違いを図式すると
| 項目 | 取締役 | 執行役員 |
|---|---|---|
| 法的地位 | 会社法上の役員 | 法律上の定義なし(従業員扱い) |
| 登記の有無 | 必要 | 不要 |
| 選任方法 | 株主総会で選任 | 会社内規定に基づき任命 |
| 主な役割 | 経営方針の決定と監督 | 方針に基づく業務の実行 |
| 責任の重さ | 高い(法的責任あり) | 比較的軽い |
この違いを理解することで、企業の組織構造やキャリアパスをより明確に捉えることができます。
特に大企業では、経営と執行を分離するために執行役員制度を導入しているケースが多く見られます。

名刺・肩書? 真の成功は、情報に基づいた選択である
取締役と執行役員の主な違いは、法的地位、役割(意思決定か執行か)、責任の重さ、そして契約・報酬形態にあります。
最も聞こえの良い肩書きを追い求めることではありません。
それは、ある役割の報酬、リスク、責任といった現実のすべてを理解し、自身の価値観、スキル、そして人生の目標に最も合致する道を意識的に選択することです。
トップクラスの執行役員になるか、取締役になるかという選択は、その中でも最も重要な選択の一つです。
賢明な選択が求められます。
選択したならば、与えられた「職務遂行」を、全うする「覚悟」が必要です!
どこかの会社を、「対岸の火事」と思わないように…

今日を大切に明るく元気に行きましょう!
お仕事の方、お疲れ様です!
いってらっしゃい!

