こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
北海道内の百貨店も、長かったコロナ禍から抜け出せたようですが、温度差があります。
「百貨店の王道」を歩む店舗と「テナント化」を進めるデベロッパー的店舗と二極化となって来ています。
2024年の北海道内年間売上高合計
道内主要百貨店4店(社)の2024年の年間売上高合計は、前年比10.3%増の1634億5400万円でした。
2桁増の最大要因は、訪日客や国内富裕層への高級ブランド品の販売が好調に推移したことです。
2019年比では0.9%増となり、新型コロナ禍前の水準に回復しました。

各店の概要
大丸札幌店
間売上高は19.2%増で、「ザ・百貨店」の売上詳細です。

23年秋の「ルイ・ヴィトン」の開店、24年夏の婦人用品・靴売り場などの改装が奏功したようです。
担当者は「免税売り上げのほか、国内客の『ご褒美ニーズ』にマッチした」とコメント。
同店単体としては23年の時点でコロナ禍前を超えており、さらに24年は2割近く伸ばして北海道内売上の全体を押し上げています。
札幌丸井三越
2店舗合計の売上ですが、4.7%増となっています。
店舗別売上の公表がないので、想像の域ではありますが、
丸井今井が約400億、

三越が約200億かと思われます。

新千歳空港と中国を結ぶ直行便の数が増え、訪日客の来店が増加。
国内富裕層にも宝飾品や衣料品が売れたようです。
「24年秋に5週連続で食の催事を開くなど、食を起点にした買い回りも寄与した」と担当者のコメントです。
さっぽろ東急百貨店
百貨店としての売上高は8.8%減となったが、テナント分を含む総売上高(ビックカメラを除く)は24.7%増だったとのこと。

23年秋の大規模改装の効果で、性別を問わず若い世代の入店客数が増えたようです。
ただ、ご承知の通り、「百貨店」の名として機能しているのかは、疑問符が付きますね。
丸井今井函館店
3.6%減少とのこと。
だた、地方の地盤低下のなか、健闘している売上だと思います。
お中元・お歳暮商戦が苦戦し、食品の売り上げも落ちたようです。
道内2024年12月の月間売上高
24年12月の月間売上高は前年同月比8.6%増の206億5500万円。
大丸札幌店は婦人服や化粧品が好調だった。
札幌丸井三越は「トムとジェリー展」が集客につながり、客数は3%増となった。
さっぽろ東急百貨店はクリスマスケーキや総菜がよく売れた。
丸井今井函館店は食品部門が振るわなかった。
との、各店広報のコメントです。
全国百貨店売上高動向
全国レベルでみると、小田急、東急などの電鉄系百貨店や、そごう、丸井などの閉店が相次いだことで、百貨店の客層が伊勢丹や高島屋に流れています。
減収が続く百貨店は『UNIQLO(ユニクロ』や家電量販店を入れて中間層を取り込んだが、ブランドイメージを低下させ、富裕層の客離れにつながっています。
顧客が、家電やUNIQLOと同じ展開をよしとしない高級ブランドにそっぽを向かれてしまえば、百貨店の意義も失われると思われます。
百貨店の重要な収入源である外商においても、顧客のシフトが進んだようです。
急増する来日客も追い風となっています。
インバウンドも“勝ち組”百貨店の収益を支えています。
高島屋の国内百貨店に占めるインバウンドの割合は15%。大阪店に至っては約3割に上るとのこと。
三越伊勢丹HDは24年度のインバウンド売上高を前期比約700億円増の1783億円を最終見込んでおり、実現すれば全体の約14%となります。


呉服系と電鉄系の百貨店で明暗
呉服系と電鉄系の百貨店で明暗が分かれた背景には、いくつかの要因が絡んでいます。
- 顧客層の違い
呉服系百貨店は、伝統的に富裕層や高級志向の顧客に支持されてきました。
一方、電鉄系百貨店は沿線住民など幅広い層をターゲットにしており、日常的な買い物や若い世代向けの商材に重点を置く傾向があります。 - ブランド価値と外商の影響
呉服系は長年培った高級ブランドとしての地位を活用し、インバウンド需要(訪日観光客)や外商(富裕層向け個別サービス)による売上を伸ばしています。
一方、電鉄系はテナント構成を多様化し、中間層や若年層を取り込む戦略を取るものの、その結果ブランドイメージの低下や富裕層の離脱を招くケースがあるようです。 - 再開発や立地戦略
電鉄系の百貨店は再開発プロジェクトが進むなか、既存の店舗構造が見直され、百貨店よりも大型商業施設や駅ビルが選ばれることが増えています。
一方、呉服系の百貨店は都市部に特化し、高額消費に強い立地を活かしています。
これらの違いが、売上や事業モデルに大きな差を生み出していると思われます。
どちらも独自の生存戦略を展開しているところが興味深いところです。

今日を大切に明るく元気に行きましょう!
お仕事の方、お疲れ様です!
いってらっしゃい!
