こんにちは 北の熱い講師 オッケーです!
引き続き、環境・市場の競争分析方法の説明です。
「VRIO分析」のお話です
今日は、「VRIO分析」のお話です。
その前に、ちょっと解説!
そもそも、なぜに「分析」が必要かということです。
会社経営上の方針・戦略を構築する上で,判断材料が当然必要となるわけです。
その判断材料の一つに[VRIO分析」があります。
なので、今まで説明した各種の分析方法と掛け合わせて作成するのが定石ですね。
VRIO分析は、一言で言うと、
経営資源の強みや弱みを分析する方法です。
経営学では、「企業が持ち得る経営資源の、独自の強みや弱みを分析するフレームワーク」と定義づけられています。
経営資源とは「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」の4つを指します。
「フレームワーク」とは、アイデアや事業を分析し、構造化して考えるときに利用できる「物事の考え方」を指します。フレームワークに沿って考えることで、ものごとの全体図を把握しつつ、効果的に問題を分析し、改善策を導き出すことが可能となるわけです。代表的な例には「PDCA」「SWOT分析」「5W1H」などがあります。これらは多くの企業や意思決定の場で活用されています。
VRIO分析の発案者は、アメリカの経営学者、ジェイ・B・バーニーです。バーニー教授は、経営戦略策定に有用なフレームワークとして、VRIO分析を著書の中で提示しました。
分析項目には、上記の経営資源の
経済的価値(Value)、
希少性(Rarity)、
模倣可能性(Imitability)、
組織(Organization)という、
VRIO分析の頭文字に相当する4つの視点からの考察が必要であると説きました。
これらの視点から、企業における競争優位性の維持と、その向上を図るのがVRIO分析を採用する目的です。分析した要素はそれぞれ個別に分析しても活用できません。
一覧表やフローチャートといった表示方法、俯瞰のためのツールを用いることで、企業の弱点の発見につながっていきます。
研修で使用する資料です。
1. 経済価値(Value)
自社の経営資源が「経済的な価値がある」と市場で見なされているかを分析する要素です。ここでの「価値」とは株式・金銭に還元できる価値ではなく、市場の機会に対し値を生み出す可能性があるのか、また、反対に想定される外部環境からの驚異に対してどれだけ耐えうる資源があるのか、ということです。なので、外部環境からの脅威や、市場への進出機会を考える際に重要な要素となります。
2. 希少性(Rarity)
他社が所持していない経営資源を分析する要素です。希少性が高ければ、他企業により後発の市場参入を防ぐことが可能になります。提供するサービスや顧客から選ばれている理由に対して、競合他者がどれだけ同質化したものを提供しているか、という指標になります。例えば、「独自性の高い生産技術」を提供し、かつそれが顧客からの受注理由になっているとすれば、それは希少性が高いと言うことです。
3. 模倣困難性(Inimitability)
他社が模倣できない経営資源を分析する要素です。
模倣が難しい希少資源を有することができれば、競争優位性を長期間維持することが可能となります。模倣を困難とする要因は、主に以下の4点から説明されます。
歴史性
経営資源が、企業独自の歴史的要因で成り立ってるかどうかです。創業100年とか過去の出来事や発展経路に依存している事象を「経路依存」と呼びます。
因果の曖昧さ(ブラックボックス化)
外部から見て、経営資源がどのような仕組みで調達されているのかの曖昧さを指します。これらが企業外から把握されにくい場合、競合優位性を発揮します。
社会・政治などによる複雑性
経営資源が、物理的な組み合わせのみならず、社会的な要因にて存在しているかどうかを指します。コロナ禍で、一気にスピードが加速したテクノロジー革命を含んだインターネットの隆盛であったり、古くからは国内資源の有無であったりと、さまざまな場合があります。
特許等による制約
特許による経営資源(知的財産)の保護の有無です。他社が利用しようとする場合には特許使用料が必要となるため、コスト面で大きな模倣困難性が生じます。
4. 組織(Organization)
自社の有する経営資源を有効に活用出来る組織かどうかを分析する要素です。これまでのチェックで「経済価値」と「希少性」が高く、「模倣困難性」のある企業であることが分析できたとしても、それを十分に活用できる組織体制が整っていないと、事業継続はできません。
企業による組織体制の確立度合いや、企業文化の醸成、意思決定の速さや柔軟性などが分析対象となります。
いかがでしょうか!
「オリジナリティーは、万能ですね。大切にしたいものです!」
ただ、更なる研ぎ澄ましたものにしなければ、模倣されてしまいます。
優位を維持・確保するために、日々研究と組織の活性化が必要ですね。
今日を明るく元気に行きましょう!
行ってらっしゃい!