こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
「北海道経済」の話です。
ただ、ほかの県でも同様なことが起きていると思われます。
最低賃金引き上げが引き金になる?

本年度の北海道内の最低賃金(時給)を巡る議論は8月8日、過去最大の1075円とすることで決着しました。
2年前から毎年40円以上の大幅な引き上げが続き、
物価高などで疲弊する中小企業の経営者は「つぶれる会社も出てくる」と危機感を募らせています。
働く人が普通に暮らせる賃金を得るためにも、地域経済を支える中小企業への支援のあり方が問われています。
「これだけ最低賃金が上がれば、高卒入社の正社員と、嘱託やパート従業員の給与が逆転してしまう。」北海道内大手製造業の担当者は懸念を口にしています。
同社の今年の新入社員(高卒)の初任給は手当を除いて約17万円。
今回の引き上げで逆転しないように正社員の月給を5千円程度上げることになり、全体で月50万円程度の会社負担が増えることとなるそうです。
原材料費や輸送費、段ボール資材など軒並み高騰する中、同社は「最賃アップで経費が圧迫されれば、賞与を含めた人件費の見直しも考えなければいけない」と懸念しています。
北海道労働局によると、今回の改定に伴い、賃上げが必要になる労働者の割合を示す「影響率」は、全体の26%に上り、パート・アルバイト従業員だけでなく、正社員の賃金の見直しを迫られる会社も増えると予測しています。
「チキンレース」の我慢比べ!
最低賃金の引き上げは2023年に40円、24年は50円とハイペースで進み、さらに今回、過去最大の65円となりました。
企業側が対応するには、賃上げ分の価格転嫁が必要だが、そう簡単ではありません。
回転ずしチェーンを経営する会社では、最低賃金の改定で、約190人のパート・アルバイト従業員の人件費が月78万円ほど増える見込みと試算しています。
競合他社より先に自社が値上げすれば、客の来店頻度が減るのが実情で、同社の社長は「値上げせず耐え続けた中小が倒産していく構図になっている。まるでチキンレースの我慢比べだ」とコメント。
政府主導による大幅な最低賃金の引き上げは「弱いところを淘汰(とうた)する政策に見えてしまう」という。
社会保険料の負担も重く
賃上げの経営負担が増す中、カギになるのが中小企業への支援策です。
厚生労働省は、賃上げした中小に、設備投資費の一部を助成しているほか、北海道も中小向けにデジタル技術導入の補助金を用意しています。
ただ、負担増にあえぐ経営者からは「使いづらく、不十分」との声も漏れ聞こえます。
スーパーを経営する社長は、年金制度改革による年収106万円の壁の撤廃に伴い、「2年後に社会保険料の負担が年間400万円ほど増える。設備投資の助成を受けてはいるが焼け石に水で、つぶれる会社も出るだろう」と悲観します。
大手パン製造卸販売の総務課長は「政府は法人税の引き下げなど中小企業への施策を明確に打ち出してほしい」と訴える。
海外拠点を持つ大企業に有利な円安の進行も、中小には仕入れ値の増大でしかないのが実態のようです。
賃上げでも生活厳しく
一方で、過去最大の賃上げとなっても最低賃金付近で働く人たちの生活は厳しいままです。
物価上昇分を除いた道内の実質賃金は22年以降1~3%の減少が続いています。
大学教授(労働経済論)は「最低賃金の最大の論点は、最低限の生活費を満たす水準なのかどうか」と強調します。
労働者も望むのは、政府による中小企業への支援です。
今春まで札幌市中央区の民間企業の契約社員は「1日2食に減らしても、貯金はできなかった。」
昨年の最低賃金改定で時給が10円上がったが、「経営する側も苦しんでいた。企業支援がなければ賃金は十分に上がらない」と痛感したとコメント。
男性は1人暮らしで、余裕のない生活を続ける。
これまで「家庭を持つ選択肢は考えられなかった。」といい、少しでも待遇が良い仕事を探しているが、見つかっていない。
大学院教授(労働経済学)の話です。
「過去最大の最低賃金の引き上げに向け、中小企業は賃上げ分の価格転嫁や生産性の向上が求められる。ただ、多くの企業で高騰する原材料費を含め、転嫁が進んでいないとの調査結果もある。
全国では、佐賀県が無料で中小企業診断士を派遣するなど、強力に企業を支援する自治体がある一方、北海道の取り組みは先進的とは言えないのが実情だ。」と解説しています。

産業別の最低賃金の導入
今年の議論は物価高による生計費の上昇と、企業の支払い能力への懸念のせめぎ合いで、てんびんにかけた結果、賃上げにわずかに傾いたという印象です。
最低賃金は職種を問わず、全員に適用されるため、大幅な増額は難しいのが通説。
賃金の底上げに向け、人手不足が続きながら低賃金の介護や保育などで産業別の最低賃金の導入を早急に検討すべきと思います。
今しばらくは、「鶏が先か卵が先か」の状況は続くと思われます…

今日を大切に明るく元気に行きましょう!
お仕事の方、お疲れ様です。
いってらっしゃい!
