【イノベーション】理論と現実

業務

こんにちは 北の熱い講師 オッケーです!

先日、確か、改めて、「イノベーション」について綴りますと言った手前、「有言実行」を自らやななければいけません!

言うは易く行うは難し

まさしく、今、総選挙真っ只中で、政治家の方々が好んで発している言葉ですね。

「イノベーションを起こす!」と聞くと、
一見、かっこいい言葉に聞こえますよね。
が、しかし、「落とし穴」があるのですよね。

結論を先に言うと、「成功確率が低い」のです。
この頃、オッケーがよく言う、
「変えてはいけないこと」と「変えるべきこと」がありますよと。
明確になっていないために、社内コンセンサスが獲れてなく、
結果として、バラバラに行動してしまい、失敗するのです。
これならまだ良いほうです。
最悪は、「変えてはいけないこと」を見誤り、
「イノベーションだぁ!」といって、「変えてしまう」ことです。
長い年月をかけて作り上げた「のれん」を下さなければならなくなる状況に陥ることです。
なので、オッケーが言うのも、おかしなことですが、
「言うは易く行うは難し」です。

では、始めます。まずは、これから!

イノベーション【innovation】とは

革新、または新機軸を打ち出すこと。
オーストリアの経済学者シュンベーターが、
「企業発展のためにはイノベーションが必要である」とし、
4つの条件をあげている。
・新製品を開発し、消費者に提供する。
・新しい生産方式を導入したり、新しい販路を開拓する。
・原材料の新しい供給体制を確保する。
・新組織をつくりあげる。
シュンベーターは、イノベーションを企業の活力源としてとらえたのであるが、
今日では、イノベーションは、技術革新の意味に用いられることが多く、画期的な技術開発が経済社会や生活に与える影響について関心が寄せられるようになっている。
出典 (株)ジェリコ・コンサルティング流通用語辞典について

と、定義されています。
「技術革新」です。かっこいい言葉ですね。
「魔法の言葉」です。「危ない言葉」です。

携帯電話

成功の一例を、誰でもお判りになるものでご紹介します。
現在の流通台数が、日本国の人口よりも多いといわれています、
「携帯電話」です。
元となる発想はモールス符号(無線電信機)にまでさかのぼります。
その後、軍事使用目的でトランシーバーの開発で、無線で会話ができるようになり、その技術を一般向けのサービスに展開するために開発が進められます。
1990年代に本格的に携帯電話が普及し始め、より持ち運びしやすいように小型化や通信回線の向上などで、ポケベル、PHSが開発され、今のスマートフォンに到るまでに何度にもイノベーションが繰り返されて来ました。

イノベーター理論とは

世の中に新しい製品やサービスを普及させるためには、市場自体を大きくするための戦略が必要となります。
市場への普及率に関する理論がイノベーター理論です。
スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が『イノベーション普及学』という著書の中で 1962年に提唱しました。
イノベーター理論では、普及の過程を5つの層に分類しており、それを基にマーケティング戦略、市場のライフサイクルについて検討することが推奨されています。
以下の図はイノベーター理論を示したもので、横軸は市場の成長に伴う時間的経過、縦軸はその製品やサービスを採用するユーザーの数を表しています。

市場の成長に伴って普及率は高まりますが、イノベーター理論では、普及のどの段階の層なのかによって5つに分類しています。

5つのタイプ

イノベーター(革新者)

発表期に製品、サービスを積極的に採用するのがイノベーター(革新者)という層です。
イノベーターは情報に対しての感度が高く、好奇心を持った層です。
「新しい」ということで価値を感じて、市場にまだ普及していない、コストが高い製品やサービスであっても、そのユーザーの価値観に合致したモノであれば支える層になります。
割合にして市場全体の約2.5%がこのイノベーター(革新者)であると言われています。

アーリーアダプター(初期採用者)

世間や業界のトレンドに敏感で、常にアンテナを高く張って情報を判断し、これから流行りそうなものを採用するので、世間や業界のオピニオンリーダーやインフルエンサーになりやすい層です。
割合にして市場全体の約13.5%シェアを占めています。
アーリーアダプターはこの後の層に対する影響力も大きく、5つの層の中でもアーリーアダプターの攻略は特に重要だと言われています。

アーリーマジョリティー(前期追随者)

情報感度は比較的高いものの、新しい製品やサービスの採用に慎重なのが、アーリーマジョリティー(前期追随者)という層で、市場全体の34%程度を占めていると言われています。
アーリーマジョリティーはアーリーアダプターの意見に大きく影響を受けるので、アーリーマジョリティーを開拓するためにはアーリーアダプターをきちんと攻略することと、製品やサービスを導入する合理性をきちんと説明できなければなりません。

レイトマジョリティ(後期追随者)

新しい製品やサービスについては消極的で、なかなか導入しないのがレイトマジョリティ(後期追随者)です。
アーリーマジョリティーと同様に市場の34%程度を占めていると言われています。
この層は、多くのユーザーがこの商品やサービスを採用している、導入側が多数派だと確証を得てから採用するユーザー層です。
この層を攻略するためには、まず普及率を高めなければなりません。

ラガード(遅滞者)

市場全体の約16%を占めると言われています。
最も保守的な層で、その製品やサービスがただ普及するだけではなく、伝統的、文化的なレベルまでその商品を採用することが一般的にならないと採用しない層です。
ラガードを攻略するためには、すでにその製品、サービスが世間の定番になっていることを訴求し、その次のトレンドとなりそうな新商品よりも安心できることを訴求する必要があります。

商品普及の成功のポイント

大きな溝(キャズム)がある

アーリーアダプター(オピニオンリーダー)が商品普及のカギになると、米国のマーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーアは提唱しています。
イノベーター理論の度数分布曲線から、初期市場(イノベーターとアーリー・アダプター)とメインストリーム市場(アーリー・マジョリティ・レイト・マジョリティ)の間にはキャズムと呼ばれる大きな溝があると提唱しました。
このキャズムを超えなければ商品・サービスの普及はしないとされています。
キャズムができる原因は、誰もが使用していない先進性が高いモノを好むアーリー・アダプターに対して、次の市場であるアーリー・マジョリティは多くの人が使用しているリスクの低く安心できるモノを好むというギャップにあります。
このキャズム問題を解決するためには、アーリー・アダプターに加え、アーリー・マジョリティの層にも、理解され採用されるような商品やサービスを作り、戦略的に訴求していく必要があるとされています。

キャズムが生まれる原因

なぜ、キャズムが発生するのか、それは2つの市場の消費者の価値観の違いといわれています。
初期市場の消費者は新しいことに価値を感じ、製品やサービスを購入する傾向にありますが、メインストリーム市場のユーザーはそうとは限りません。
インフルエンサーが勧めている、商品のクオリティが高い、費用対効果が大きい、周囲の人々が使用しているなど、安心して購入できる理由が必要となります。
初期市場はイノベーターとアーリーアダプターを足しても約16%しかないのです。
市場の残り84%はメインストリーム市場なのです。
キャズム理論は、メインストリーム市場攻略の重要性についての理論であり、このキャズムを越えられないビジネスモデルは、しばしば市場が当初予想値よりも大きくならず、事業として採算が取れずに撤退してしまう場合がよくあります。
このことが、冒頭に言った、失敗となる経緯です。

いかがでしょうか!

マーケティングが重要です

新しいものを積極的に導入するイノベーターと、保守的で伝統的なモノしか採用しないラガードでは価値観が違うので、段階毎にその層に適したアプローチを行う必要があります。
新たな製品、サービスを世に出す、もしくは現在、新製品の普及に努めている企業の方は、是非このイノベーター理論を知識として理解すべきです。
以上から、市場セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングというマーケティングの基礎が重要ということがわかります。

 

さぁ!

今日を明るく元気に行きましょう!

いってらっしゃい!