こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
私たちが日常的に利用している航空機。
その心臓部にあたるエンジンの多くは、ターボジェットやターボファンエンジンです。
巨大な扇風機のようなファンで空気を取り込み、圧縮機で高圧にした後、燃料と混ぜて燃焼させ、そのエネルギーでタービンを回しながら推力を得ています。
この方式は高い信頼性を誇りますが、飛行速度には限界があります。
そんな中、将来の飛行技術として研究が進められているのが、JAXAが取り組む「スクラムジェットエンジン」です。
スクラムジェットとは
スクラムジェットの最大の特徴は、「酸素を機体に搭載しない」点にあります。
例えばH3などの通常のロケットエンジンでは、燃料とともに酸化剤(酸素)も搭載しますが、スクラムジェットは大気中の酸素をそのまま利用します。
そのため、酸素タンクが不要となり、その分を貨物や燃料に回すことができるのです。
この仕組みにより、スクラムジェットは理論上マッハ5以上、場合によってはマッハ15に達する可能性を秘めています。
宇宙往還機や大陸間高速輸送機への応用が期待される理由も、ここにあります。
立ちはだかる「極超音速」という壁
しかし、スクラムジェットは理論通りにいかない難しさも抱えています。
超音速気流の中で燃焼を安定させることは極めて困難で、燃え残りや想定外の化学反応が起こる可能性があります。
加えて、地上試験も大きな課題です。高温衝撃風洞では試験時間が数十ミリ秒程度しかなく、長時間の燃焼試験ができません。
一方、超音速風洞は数十秒の試験が可能ですが、巨大施設と莫大なコストが必要になります。
さらに、スクラムジェットはマッハ5以上でなければ作動しないため、そこまで加速するための別のエンジンが不可欠です。
エンジン内部温度が2300度に達する可能性もあり、耐熱材料や冷却技術の開発も欠かせません。
こうした困難を乗り越え、実際に成果を上げたのがNASAの無人実験機「X-43」です。
全長は人の身長ほどしかない小型機で、胴体下部にスクラムジェットを搭載していました。
空中でペガサスロケットから分離され、短時間だけスクラムジェットを燃焼。
2004年の試験では、マッハ6.83、続いてマッハ9.68という世界記録を打ち立てました。
JAXAが世界で初めて成功
しかし、その後NASAは月・火星探査を優先し、スクラムジェット研究からは撤退します。
一方、日本でもスクラムジェット研究は着実に進められてきました。
JAXAは1987年から研究を開始し、2002年には風洞実験でマッハ8条件下の推力発生に世界で初めて成功。
そして2024年には、観測ロケット「S-520」に搭載したスクラムジェットで実飛行試験が行われました。
試験機は高度約168kmから降下し、最大マッハ5.8の極超音速で飛行。
その中で3秒以上にわたる超音速燃焼を達成し、温度や圧力など貴重なデータの取得に成功しました。

超音速時代が来る
これは、日本で初めて実飛行において超音速燃焼を実証した歴史的成果です。
極超音速飛行を現実のものにするスクラムジェットは、まだ多くの課題を抱えながらも、確実に前進しています。
皆さんは、もしスクラムジェットを使ったマッハ10以上の超高速機が実現したら、どんな場面で使ってみたいですか?

今日を大切に明るく元気に行きましょう!
お仕事の方、お疲れ様です!
いってらっしゃい!


