【所信表明演説】石破茂総理大臣のカラーは?

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石破茂総理大臣は10月4日、衆参両院で所信表明演説に臨みました。

所信表明演説とは何か

会社に置き換えると分かり易いと思います。

新社長に代わった際に新社長はこれから会社をどうするか、
目標や理念、会社像を社員に示しますね。

総理大臣が就任後に初めてする所信表明演説はこれに相当します。

自らの政権で何をするか、何を目指すか、
その国家像を国民に明らかにする狙いがあります。

通常は臨時国会や新総理大臣を指名する特別国会の冒頭、
総理大臣が交代した場合は総理大臣指名選挙の後の会期途中にする演説です。

ちなみに、毎年1月に召集する通常国会で首相がするのは施政方針演説と呼びます。

所信表明演説と異なり、予算案の目的など個別政策の説明に力点を置く演説です。
会社なら年頭の社長訓示に近いものです。

歴代総理大臣はどんな演説をしたか

総理大臣にとって初舞台になる所信表明演説は記録だけでなく、国民の記憶に残るせりふをいえるかも注目です。

インパクトのあるフレーズは政権の代名詞「名言」にもなります。

小泉純一郎氏は「聖域なき構造改革」と発言し、のちに「聖域」だった郵政3事業の民営化を実現しました。

鳩山由紀夫氏は自民党政権との交代後の政治の特徴を「コンクリートから人へ」の一言で表現しました。

政権を奪還し、再登板となった安倍晋三氏は「三本の矢」で経済政策「アベノミクス」の3つの要素を説明したのは記憶にあるところだと思います。
大胆な金融政策と機動的な財政運営、そして民間投資を喚起する成長戦略をうたい、歴代最長政権を築いたが、最後の成長戦略は道半ばだった。

菅義偉氏は「自助・共助・公助そして絆」という社会像を示しました。
まず、自分でやって、次に家族、地域で互いに助け合う、そのうえで政府がセーフティーネット(安全網)を用意するという考え方だった。

岸田文雄氏は「新しい資本主義の実現」を掲げましたね。
脱炭素社会に向けた成長戦略として新たに「クリーンエネルギー戦略」をつくると表明しました。
2013年に初めてつくった外交・防衛政策の基本方針に当たる「国家安全保障戦略」の改定を明言し、抑止力強化を約束しました。

外国でも同様の演説はあるか

米大統領で所信表明演説に類するのは就任演説となります。

来月は、「アメリカ合衆国大統領選挙」ですね。
古くはケネディ大統領の就任演説が有名だと思います。
「米国があなたのために何をできるのかを問うのではなく、あなたが米国のために何ができるのかを問うてほしい」

ケネディ米大統領の就任演説(1961年)=UPI共同

バイデン大統領の就任演説は米国社会で深まる「分断」の深刻さを踏まえ、団結の必要性を強調しました。
トランプ前大統領が掲げた「米国第一主義」のもとで悪化した同盟国などとの関係改善も訴えましたね。

毎年1月か2月に施政方針を示すのは一般教書演説と言います。
2002年のブッシュ(第43代)大統領の演説では「悪の枢軸(Axis of evil)」という言葉を使って北朝鮮、イラン、イラクを名指しで批判し、世界的なニュースになったのを記憶している方、多いと思います。

英国は議会で新たな会期が始まるのにあわせて、国王が政府の政策方針について演説します。
英政府が起草した原稿を、国家元首である国王が読み上げる習わしです。
議会に提出する予定の法案や政策課題に言及することになっています。

24年7月の演説では、チャールズ国王が14年ぶりに誕生した労働党政府の施政方針を読み上げました。
各地の鉄道事業を一括管理する公的機関の新設、光熱費を抑えるため再生可能エネルギーへの投資や移行を促す公社の立ち上げ、ウクライナ支援の継続といった重点政策を示しました。

石破総理の演説

石破内閣が発足し、記者会見に臨む石破茂首相(1日、首相官邸)

自民党総裁選の公約では「守る」をキーワードにかかげ、「ルール」「日本」「国民」「地方」「若者・女性の機会」の5つを柱に挙げました。

1日の就任記者会見では石破内閣を「納得と共感の内閣」と位置づけ、「国民を信じ、国民から信頼される内閣でありたい」と述べましたね。

経済政策やエネルギー政策は岸田前政権の方針を踏襲する考えをすでに示しています。

最低賃金の全国平均1500円を達成する時期の目標は2030年代半ばから20年代に前倒しすると発言しています。

そして4日、初の所信表明演説に臨みました。
政治への信頼回復などとともに石破カラーが強調されたのが「地方創生」についてで、具体的な施策として交付金の倍増を明言しました。

演説では、政治への信頼回復など多岐にわたる課題や問題に言及する中、強く訴えたのが…。

竹下総理は、かつて地域が自主性と責任を持ってそれぞれの知恵と情熱を生かし、小さな村も大きな町もこぞって地域づくりを自ら考え、自ら実践していく、と述べられました。地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増することを目指します。

石破総理はこのように演説し、「地方創生2.0」を掲げ、地方創生の取り組みを支援するための交付金を倍増する考えを明らかにしました。

石破総理は、2014年の第二次安倍内閣で初代の地方創生担当大臣となり、中央省庁の地方移転などに取り組んできました。

約34分間にわたった、9500字の最長文であった所信表明でも、4分以上を使って地方への思いを語りました。

私が先頭に立って国、地方、国民が一丸となって永続的に取り組む機運を高めてまいります。

ただ、野党側からはヤジの嵐となりました。

全身全霊を捧げ、日本と日本の未来を守り抜いてまいります。

と語る石破総理に「約束守れ!」などのヤジが飛びました。

総理就任前に、異例ともいえる解散総選挙の時期を表明したのをはじめ、
方針転換ともとれる発言が続く中、
キーワードに掲げる「守る」が批判の的になる場面も見られました。

解散総選挙を乗り切り、地方創生実現への道筋を示すことが出来るのか注目されます。