こんにちは!北の熱い講師オッケーです!
直近の天下国家事業は、2年後いや1年半に迫って来た「大阪万博」でしょう。
コロナ禍で、散々だった「東京五輪」の面目役上となるかの、日本の威信がかかった一大イベントです。
ここに来て、暗雲が立ち込める事態となりそうです。
大阪万博の建設費
2025年春開催予定の「大阪・関西万博」の会場建設費が、現在の1850億円から450億円上振れし、2300億円程度となる見通しになったことが9月25日、万博を運営する日本国際博覧会協会の関係者から発言が出ました。
資材価格や人件費の高騰が要因。建設費は当初1250億円と見積もっていました。
引き上げは2回目となり、国民負担がさらに増えることになりそうです。
政府は国が負担する増額分の一部を23年度補正予算案に盛り込む方針を示しており、協会に費用の精査を指示しているようです。
今後においても、金額は変動する可能性があります。
官房長官は9月25日の記者会見で、会場建設費の上振れ分に関し、政府、大阪府・市、経済界で3分の1ずつを負担する枠組みに沿って対応を協議すると明らかにしています。
経緯として、会場建設費は20年12月、当時の万博相が設計変更などを理由に1250億円から1850億円に膨らむと公表していました。
その後、新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻の影響で資材価格の高止まりに加え、人件費が上がって、さらなる上振れが避けられなくなっていた状況です。
開幕カウントダウン
コスト膨張はさることながら、懸念されているのが、開幕が1年半後に迫る中、施設建設が間に合うのか!ということです。
万博の華であるパビリオン建設を巡っては、なお暗雲が垂れ込めている状況とのこと。
参加予定のチェコスロバキアが9月19日、海外パビリオンのうち自前で建設する「タイプA」の着工に必要な建築許可申請を市に提出しました。
これまで申請がどこもない状況から、チェコスロバキアが「第1号」に名乗りを上げてくれたわけです。しかし、チェコスロバキア代表が20日、大阪府庁に吉村府知事を訪問の際に、懸念されそうな話をしているのです。
「台風の影響で完成が遅れかねない!」ということなのです!
「自然災害に見舞われることを想定した安全性のシミュレーションに時間がかかっている」「私たちの国には台風も地震もない。でも、全ての問題には解決策があるので、それを探っていきたい」と発言しているのです。
今年もそうだったが、台風や豪雨による被害は年々、大きくなっています。
強風、大雨の中では、確かに複雑なデザインのパビリオン建設は容易ではなさそうです。
特に「活力を彫刻する」と名付けられたチェコのパビリオンは、外壁をガラスの螺旋通路で造る大胆な構造です。
来春に着工し、完成が開幕1カ月前の25年3月と、スケジュールはギリギリなのです。
「台風が、もし直撃したら、工事は困難を極め、計画通りに進まないのではないか」
チェコ代表の発言には、不安感を拭い去れない危機感がにじみ出ているようにも見えます。
ある建築エコノミストのコメントです。
「チェコのパビリオンは万博の華にふさわしいダイナミックなデザインといえます。ただ、建物は4階相当という規模で、ガラス張りの外壁が螺旋状にねじれる複雑な形態です。
平面な建物に比べ、台風の突風を受ける凹凸や雨水がたまりやすい部分が多く見受けられ、工事の途中で損傷が生じる可能性は否定できません。
デザインや工法の修正を迫られ、工期が延びることも考えられる。
そもそも、現段階でチェコから災害に関わる懸念が出てくること自体が不自然。
主催者側から日本の災害に関する情報が、事前に伝えられていたのか疑問です」
建築許可申請の前段階の書類である「基本計画書」は、チェコの他に6カ国が提出済みとなっています。
うち、サウジアラビアやベルギーもチェコスロバキアと同様に台風や地震がほとんどない国です。
これらの国のパビリオンも、安全性シミュレーションに時間がかかるのではないかという懸念が出てきます。
開幕した時に、パビリオンが「まだ建設中」なんて事態になったら、世界中の恥になりますね、、、
日本維新の会
大阪万博の言い出しっぺの「日本維新の会」共同代表でもある吉村氏は、プロ野球の阪神、オリックスの優勝パレードに便乗して万博のPRに一生懸命のようですが、そんなことをやっている場合じゃない状況になりつつあります。
日本維新の会が腕まくりで誘致した2025年4月に開幕予定の大阪・関西万博は、上記のように、簡素化が進みそうな気配です。
建設タイプ?
「タイプA」と呼ばれる自前パビリオンの建設が一向に進まない問題をめぐり、岡田万博相は9月1日の会見で、先月末時点で「希望する国のうち13カ国で施工業者が決定した」と報告しました。
一方では、運営主体の日本国際博覧会協会(万博協会)が箱型の建物をつくって各国に外装などのデザインを委ねる「タイプX」への移行に関心を示している国が「現状5カ国ある」と明かし、「今後も変動はあり得る」としました。
「タイプX」は建設の遅れをカバーするため先月半ばに登場したニュータイプとのこと。
分かりやすく言うと、「プレハブの建て売り」です。
万博に参加する約150カ国・地域のうち、56カ国・地域が「タイプA」を希望していましたが、建設工事に必要な「基本計画書」を大阪市に提出したのは韓国、チェコ、モナコの3カ国にとどまっていました。
焦る万博協会が準備が遅れている参加国・地域に提案し、先月末をメドに移行するか決めるよう求めているようです。
「万博の華」である海外パビリオンが縮小すれば貧相化は避けられないが、プレハブ万博に舵を切れば、工事のスピードアップを期待できるのか。大阪万博の問題に詳しい建築エコノミストです。
「プレハブ工法だからといって、簡易になるわけではありません。何百人もの来場者が見学することを想定し、頑丈な建物をつくる必要がある。
建て替え中に利用する学校の仮校舎や、病院の一時入院施設をイメージすると分かりやすい。
タイプAからXへの乗り換えが相当数に上っても、結果として工事費はさほど変わらない可能性がある。ただ、同じスペックの資材をダーッと組み立てるのであれば、建設会社側に見積もりや計画が立てやすいメリットはあります。
もっとも、建設工事は遅れに遅れていますから、焼け石に水です」
世論調査
「阪神優勝」「オリックス優勝だ!」で「大阪決戦!」と大盛り上がりの大阪・関西ですが、、、
世間の関心は全然高まっていなそうです。
(何か、「札幌五輪誘致」と似ていそう?)
毎日新聞の世論調査(先月26、27日実施)では、
万博に「関心がある」との回答は22%で、
「関心はない」の63%を大幅に下回った結果です。
これも、前述した建築アナリストのコメントです。
「プレハブだらけの万博なんて、パリコレで既製服のショーをやるようなもの。来場者はガッカリするでしょう」
国挙げてのイベント?
大阪府の吉村知事らも出席した先月末の関係者会合で、
岸田首相は「万博の成否には国際社会の日本に対する信頼が懸かっている。政府の先頭に立って取り組む」と力説しました。
これで建設工事が間に合わなければ、面目丸潰れ!?
そんなことにならねように、「威信をかけて」関係者各位の皆様、よろしくお願いいたします。
今日を明るく元気に行きましょう!
お仕事の方、お仕事お疲れ様です。
いってらっしゃい!